先日、職場の上司が亡くなった。
あまりに突然の出来事で、周りはてんやわんやだった。
時期的に、このままでは正常な期末を迎えられないので、休日を利用して仲間数人と故人の家へ向かう事になった。
どうしても必要な書類が見つからなかったからだ。
本当に急な事だったのでご遺族も何一つ手につかず、とりあえず自宅にあった書類の束を調べさせてもらう。
自分はパソコンのサルベージ担当で、ご遺族が見守る中、家族共有で使っていたというノートパソコンのファイルを確認する。
流石に共有パソコンには何も保管されてなかったが、代わりに仕事で使うカバンに入っていたUSBが4本見つかった。
ご遺族曰く、自分達にはわからないので自由に見てもらって構わないとのこと。
あまり長居するのも申し訳ないので、そのまま預かって故人宅を後にした。
当然サルベージ担当の自分が自宅に持ち帰りチェック。
いやー、その作業が何というか・・・割とメンタルにきてしまう。
ほぼ仕事関係の内容がほとんどだったが、中には個人的なファイルも当然あり。
まるで故人のプライベートを覗き見するかのよう。
家族への想いが詰まったファイル、写真、亡くなる前日に保存された記録。
とてもバイタリティ溢れる方だったので、まさか自分が亡くなるなんて本人が一番信じられないかもしれない。
今でもどこかへ出張中で、そのうち帰ってくるんじゃないかなんて考えてしまう。
「プロフール」というタイトルのファイル、いやそれプロフィールでしょ。
笑ってツッコんでるはずだった、生きていれば。
ふっと自分の事を考えてみる。
もしそうなったら、いやまだ考えたくないけど、このパソコンはどうなるのかな。
このファイルや思い出は?ブログや記録は?
家族にも打ち明けてない事がたくさん、この機械には詰まってる。
せめてPINコードくらいは誰かに伝えておこう。
開いたらわかるように、何かに記しておこう。
暗号めいた感じに残すと楽しめるかもしれない?
なんだかとりとめもないことを考えながら、ぼんやり、淡々と作業を進めた。
本当に必要なファイルは見つからなかった。
とりあえずUSBの中身はリスト化し、ご遺族にお返しした。
自分だって明日はどうなるかわからない、でも起こりもしないことを心配してもしょうがない。
だけどこの気持ちを誰かと共有したいから、今日もブリタニアに降り立つんだ。
会いたい時に会える仲間がいる。
それはとても、本当にすごく、ありがたいことだなぁと思った。
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